ベトナム語教室

■凧つくったよ!

 

 今年から八尾市では土曜スクールが始まり、その第1回目が6月に開催されたこともあり、お休みする子どもたちもいましたが、人数が多くても少なくてもいつも元気な声が聞こえてきます。

 6月14日は、先生がお休みだったので、子どもたちはプリントと、それが終わってから凧づくりをしました。プリントはユン先生がそれぞれのクラス用に準備してくれました。

いつもはサポーターをしてくれている学生が、みんなの指導に入ります。子どもたちがわからないところがあると、学生がわかりやすくベトナム語と日本語で説明したり、韻の踏み方を教えたりしていました。まだ4月からサポーターを始めたばかりですが、すっかり子どもたちとも打ち解けています。とても頼もしい存在です!

 さて、宿題プリントが終わると、今度は凧づくりの始まりです。ビニール袋とストロー、凧糸を使ってオリジナル凧を作ります。スティッチやドラゴンボール、ドラえもん、リラックマ、スヌーピーなどお気に入りのキャラクターで凧を飾ります。普段の授業ではなかなか集中しない子どもたちが、色をつけたり、線をなぞったりするのに夢中になって真剣に取り組んでいます。やっぱり好きなことはいくらでも集中できるんだなぁと実感(笑)。

 完成した凧がちゃんと飛ぶのかと幾ばくかの不安があったのですが、ちゃんと飛びました!子ども達の中には「もっと大きいサイズで作ってみたい!」という更なるリクエストもありました。子どもたちもスタッフも楽しんだ凧作りになりました。

 現在、ベトナム語教室では「ルーツ語教室10年を振り返って」という検証作業を始めています。「これまでの教室の10年をどのように振り返り、未来につなげていくか」という目的を持って取り組んでいます。今後少しずつですが、その検証作業の様子も報告していきたいと思っています。

 

■2014年度が始まりました!!

 

 桜の季節もあっという間に過ぎ去り、新緑が美しい季節になってきました。トッカビのルーツ語教室も4月12日から新学期がスタートしました。毎年、始業式では、先生からのお話があります。それぞれのクラスの勉強時間の確認と、約束事(宿題をきちんとやってくる、休むときには連絡する、お知らせをおうちの人に渡すなど)をわかりやすいベトナム語で伝えます。1クラスの子どもたち(ほとんどが新一年生)は積極的で、先生から何か発言があるたびに大きな返事がかえってくるのに対して、4クラスの子どもたち(中学生が中心)は静かに(というより無反応?)聞いていた姿が印象的で思わず笑ってしまいました。

 先生の話が終わると、今日のおたのしみ「カンバッチ作り」がはじまります。この日のためにカンバッヂマイスターのやんぢゃさんに来てもらいました。まずそれぞれ、自分の好きな色の台紙を選びます。それから思い思いのイラストや言葉、名前などを入れていきます。自分の名前や似顔絵を書く子どももいれば、リラックマやドラえもんなどのキャラクターを描く子どもたちもいました。中学生も「めんどくさーい」と言いながらも楽しそうに書いていました。できあがった子どもたちから記念撮影をしておやつを食べて帰りました。

 今年は教室がはじまって10周年になります。参加する子どもたちの姿も、始めた当初と比べてダブるの子どもたちや、八尾以外に住む子どもたち、就学前から通う子どもたちなど多様化しています。また、この数年は、中学生になっても参加する子どもたちが定着しています。このような状況を受け止め、先生や保護者のみなさんや、学校の先生方の協力を得ながら、新しい1年を作って行きたいと思っています。

 

 2014年度は、トッカビ40周年にあたる年ですが、ベトナム語教室も10周年をむかえます。この10周年を機に、ある助成金を申請しました。申請書類を作成したり、ヒアリング調査を受ける中で改めて10年という時間を振り返ることができました。

 2004年、当時4年生だった子どもが、「ベトナム語を勉強したい」と言い、お母さんからも「子どもがベトナム語を忘れていくのが不安だ。どこか勉強できるところはないのか」という声があがりました。そこで5人の子どもたちとルーツ語教室を開始したのです。当初は、教科書は何を使ったらよいのか、教え方はどのようにしたらよいのか、レベルが異なる子どもたちにどう対応したらよいのかなど、わからないことだらけでした。

 2006年に、参加者は4クラスで30人になりました。この頃は、アメリカ在住のベトナムルーツの子どもたちのための教科書を作っていましたが、英語をベースとして作られた教材だったので使いづらいところがありました。そこで2007年に、日本で生まれ育ったベトナムルーツの子どもたちのための教材「Tiếng Việt Vui」を開発し、これは現在も最初に勉強するための教科書として使っています。

 今年度はこれまでで一番多くの子どもたちが参加しています。毎月新しい子どもたちが加わって現在は55人。この数年間でダブルの子どもたちも参加してくれるようになりました。2004年度当時、小学生や保育所の年長だった子どもたちも、中学生、高校生、大学生、社会人となっています。9年間ずっと教室に参加している子どもたちもいれば、教室にくるのはやめたけどトッカビの活動には参加している子ども、いったんはベトナム語の勉強を辞めたけれど、再び学びなおしている子どもたちなどさまざまな姿があります。

 「ベトナムルーツの子どもたちが、ベトナム語学習を通じて自己肯定感を育む」、「同じ教室に集う仲間と出会うことで、教室が子どもたちの『居場所』となる」このことは、当初からルーツ語教室が最も大切にしてきたことです。この9年間で、次世代の子どもたちが育ってきています。どこでどんなふうに生きようとも、「なりたい自分になる」ために自分自身で未来を選択していけるようになってくれたらいいなと思います。そのためにも来年度はこれまでの10年間をきちんと検証し、次の10年につなげていくことができるよう日々の活動にしっかり取り組んでいきたいと考えています。

 

■おにいちゃんとおねえちゃんと一緒のクリスマス会

 

 12月と言えば毎年恒例のクリスマス会の季節です。今年は38名の子どもたちと楽しくクリスマス会をしました。最初は先生からクリスマスにちなんだお話をしてもらいました。「ベトナム語わかんなーい」といいながらもいろんな言葉に反応してお話を聴いていました。

 それが終わるとゲーム開始です。食べ物や果物、普段の生活で使うものなどの絵カードを床にばらまき、先生がベトナム語で言った絵カードを探してとります。それをチーム対抗で枚数を競います。チームには勉強を始めたばかりのこどもや、年長さんもいます。ですからベトナム語でなんというかわからない言葉もあるのですが、そこはチームの団結力、先生のベトナム語を聴いてすぐに大きいお姉ちゃんやお兄ちゃんが日本語に翻訳して、カードのある位置まで教えてくれたりもします。中にはダイブして絵カードをとろうとする子どもたちもいました。

 次はダーカウ(ベトナムの羽蹴り)です。今回は少しアレンジをして、的当てを作り点数を競います。サッカーをやっている子どもはさすが上手、なんども羽を蹴ることができます。はじめてやった子どもたちは、羽を飛ばすよりもスリッパを飛ばしていました。この時もお兄ちゃんお姉ちゃんたちが、年下の子どもたちにコツを教えたり「がんばれ」と応援したり。普段はみんな、だいたいが同じぐらいの学年の子どもたちと一緒に勉強しているのでお兄ちゃんお姉ちゃんたちと一緒に活動することはほとんどありません。でもこうやって一緒に活動をすると、違う学校の仲間やお兄ちゃんお姉ちゃんに出会って話ができてとても楽しそうでした。

 最後にサンタさん(?)からのクリスマスブーツのプレゼント。でもただではもらえません。先生にサンタさんにほしいものをベトナム語で伝えます。「おもちゃがほしい」、「おかしがほしい」、「あいかつのカードがほしい」などいろんなリクエストがありました。

 今年もたくさんの子どもたちが参加してくれました。参加する子ども達が同じルーツの仲間やおにいちゃんおねえちゃんとたくさん関わることによって、楽しみながら成長していけるような環境を来年も作っていきたいと思っています。

 

 11月になりました。ベトナム語教室のみんなは相変わらず元気に教室に通っています。夏休みがあけてから、少しだけ子ども達のかずは減りましたが、その代わりに新しい子ども達がやってきて、毎回わいわいがやがやとやっています。

 10月26日から、来年度のことも考えてクラス編成を行いました。10月までは、1クラスに2人の先生と高校生サポーターが入ってクラスを運営していたのですが、後半期は、少人数クラスも作りきめ細やかに教室運営ができるようにしました。

 ちなみに勉強の時間は45分間なのですが、勉強が終わって家族の人がお迎えに来るのを待つ子どもや、弟や妹を連れてきて終わるのを待っている子どもたちもいます。そんな時は、学校のことや家族のこと、友達のこと、進路のことなどを話したり、ベトナムにいる親戚の話(家が大きいことや、どんな遊びをした、こんなのを食べた)などいろんな話をします。また、現在は10以上の保育園、小学校、中学校、高校から子ども達がやってきているので、待ち時間に仲良くなったり遊んだりしています(もちろんよくけんかもしますが)。

 話は変わりますが、10月28日、八尾市で「多言語進路ガイダンス」が開かれました。このガイダンスは、さまざまな国にルーツを持つ子ども達のために、中学卒業後の進路(高校や専門学校、就職など)について多言語で説明を行うものです。その中に「先輩たちの話」というコーナーがあったのですが、現在ベトナム語教室に来てくれている高校2年生の子と、かつて勉強していた高校1年生の子が先輩として参加してくれました。「将来の夢はなんですか」と聞かれた時に、高校生2年生の子は、「せっかく2言語(ベトナム語と日本語)ができるのでそれを活かしたい、英語をもっと勉強して外国語に関係する仕事をしたい」と話してくれ、高校1年生の子は「両親が料理店をしているので、自分も両親のように自分のお店を持ちたい」と話していました。ガイダンスには、ベトナムルーツだけでなく、中国ルーツやフィリピンルーツの子ども達も参加していたので、この2人の体験やメッセージがかれらに届き、将来の選択をするうえで役に立てばいいなと感じました。今ベトナム語教室に集うやんちゃで元気な子ども達は、将来どんな選択をするのでしょうか。わくわくしながら子どもたちを見守りたいと思った日でした。

 

 6月になりました。梅雨の季節ですが子どもたちは元気に教室にやってきています。毎週新しい子どもたちがやってきてとうとう48名になりました。8年の間で一番にぎやかな年かもしれません。今日は少しだけ、どうして「ルーツ語が大切なのか」を最近読んだ資料を参考にしてお話したいと思います。

 トッカビではルーツ語と呼んでいますが、専門的な言葉では「継承語」や「家庭言語」、特にアメリカでは「キッチンランゲージ」などと言われているようです。

この継承語の特徴としては①4技能(聞く、話す、読む、書く)がアンバランスに発達すること、②聞いて大体察するという勘も発達すること、③対話力が弱いことなどが挙げられます。確かに教室に来ている子どもたちも、聞くのは上手ですが、話すのは個々人の性格や家庭内の接触量によって違いがあるなと感じることがあります。

 この資料を読んでいて非常に驚きだったのは「継承語教育にとって一番大事な時期は4歳から8歳までだ」という言葉を見つけたときでした。教室に来ている子どもたちの半分ぐらいがちょうどこの年齢にあたります。以前は、ルーツ語(ベトナム語)を勉強するのに適当な年齢は、1年生(6歳)以上だと思っていました。ある程度1つの言語(日本語)が固まってから読み書きのためのもう一つの言語(ルーツ語)を習得するほうがよいのかと勘違いしていました。でもそうではなかったのです。実は4歳から8歳までは、ルーツ語(ベトナム語)と日本語の二つの言語が競合している状態だということです。ですからこの時期は親子での会話は特に大切なので、更に本の読み聞かせや、多くの人との豊かな対話をすることでルーツ語の力がつき、このことが日本語力へも転移するそうです。またルーツ語学習の中に「知的な活動をする経験」(例えば自分たちの話したいことを絵に描いてルーツ語で発表する、ゲームを作るなど)を盛り込むと深い学びにもつながるとされていました。もちろんこの時期に、接触量の多い言語のみに偏ってしまうとルーツ語が育たなくなり結果として日本語も伸びなくなるという危険性もあるそうです。

 よく日本で生まれたルーツを持つ子どもたちの言葉の問題や学力の問題を指摘されますが、周囲との関わりが少なくなることによってコミュニケーションが希薄になるために生じていることもあるのではないでしょうか。そのような点で、私たちおとなは子どもの未来の可能性を拡げもすれば狭めもする存在になるのかもしれません。

 せっかくこんなにたくさんの子どもたちが通っている教室です。自己肯定感を育みながらもルーツ語が効果的に学習できるような工夫をしていきたいと思います。

 

 *公益財団法人兵庫県国際交流協会 平成24年度母語教育支援研修会「地域で母語教育を行う上で役立つこと」、トロント大学名誉教授、中島和子さんの講演記録(http://www.hyogo-ip.or.jp/pdf/usr/default/r0g-b-l-1.pdf)を参考にしています。

 

■今年のベトナム語教室はもっとおもしろいよ

 

 3月23日に2012年度の修了式を終えて、4月13日から2013年度が始まりました。今年も昨年に引き続きとてもにぎやかなスタートになりました。
  今年度はじめての勉強となる4月20日の第1回目は、各クラスでベトナム語の名札づくりをしました。教室に来ている子どもたちの8割は学校では日本の名前を使っています。ベトナム語教室では「ルーツの名前も大切にする」という目的でベトナムの名前を呼んできました。ベトナム語の名札づくりはさらにその延長線にあります。1年後、みんなが自分の名前を覚えて書けるようになってほしいなぁと思います。
  ところで今年はこれまでと違う試みを取り入れています。まず、これまで6クラスだったものを5つのクラスに整理しました。どうしてクラスが減るのか?と疑問に思われる方も少なくないでしょう。
  日本で生まれたルーツを持つ子どもたちや幼少期に渡日してきた子どもたちにとっては、日本語がすでに第一言語になっています。ですから当たり前なのですが、ルーツ語よりも日本語が話しやすいという状況があります。また、思春期に入ると人前でルーツ語を話すことをあえてしない子どもたちもいます(ルーツ語教室の中でもこのような状況が生じる時もあります)。
  さらに子どもたちのおかれている環境は家庭によって多種多様なので、ルーツ語の使用頻度も変わります。ですから同じクラスの中にも「話すのが好きな子」、「聞くのが得意な子」、「積極的な子」、「シャイな子」などの子どもたちが一緒に勉強することになります。
  そこで今年からは1つのクラスを複数のスタッフでサポートしようということになりました。主には一人の先生が教えますが、中には先生が何を話しているのかわからない子どもたちもいます。そんな時もう一人の先生とベトナム語教室で一番の年長者である高校2年生の子がサポートに入って、みんなと一緒に授業を理解できるように手助けします。
  また各クラスともなるべく同学年か近い学年でクラス編成をしています。このルーツ語教室の一番の目的は、「ルーツを肯定すること」、「仲間に出会うこと」です。レベルは違ったとしても、仲間の中で教え合ったり気軽に尋ねることができます(学年が違いすぎるとこのようなことは少し難しいです)。ルーツ語の習得ももちろん大切なのですが、それ以上に日頃の悩みや不安も含めて、仲間や先生、スタッフたちと一緒に話したりできる環境を大切にしています。また高校2年生になった子がサポーターとして関わってくれることで、下の子どもたちから「なんでも話せるお姉さん」的な存在になってほしいとも期待しています。
  さあこれから始まる2013年度のベトナム語教室。子どもたちがどんな笑顔を見せてくれるのかこうご期待!

 

■にぎやかな2012年度でした

 

 はやいもので、一年の終わりの3月がやってきました。2012年度のベトナム語教室は例年になくにぎやかな一年になりました。毎回ニュースには、子どもたちの参加数が多いことをお知らせしているのですが、この一年をみてきて特に感じたことがありました。
 一つ目は、初めて勉強する子どもたちが低学年・高学年をあわせて12名いたのですが、みんなが続けて参加してくれたことです。特に低学年の子どもたちは、毎回 m や a などのベトナム語の宿題が出されるにもかかわらず、家でお父さんやお母さんたちと一緒に一生懸命やってきています。チャム先生やユン先生のあたたかい指導もさることながら、保護者の方の協力が大きいのではないかと思います。
 二つ目は、勉強を長く続けている子どもたちが高学年、中学生になっても継続してきてくれていることです。「ベトナム語なんかおもんなーい」と口々に言ってはいるのですが、ゲーム形式にしたり、家庭の中で続いているベトナムの文化や習慣、食生活のことなどを話す場面になると活き活きと率先して話したり…。「学ぶ」方法はたくさんあり、特にルーツを持つ子どもたちにとってのルーツ語習得は、言葉以外から学ぶことのほうが大きいんだなとあらためて感じさせられます。
 そして三つ目は、青年に近くなった子どもたちから「もう一度『ベトナム語』をやりたい」という声があがっていることです。小学生の頃は、「自分がやりたい」よりも「親の意思」で通っていたかもしれないのですが、その子どもたちが高校生や大学生になってから、もう一度きちんと勉強したいと自発的に参加する兆しがあります。これは、近年、ベトナムの経済発展が著しく日系企業(その中には関西の企業も多くあります)がベトナムに進出しているという現状が影響としてあるのではないでしょうか。そのため企業サイドでも、ベトナムと日本と両方の言語や文化・習慣がわかる人材を求めています。自分の持つルーツが強みになること、そのことで世界がさらに広がるということに気づく青年たちが出てきたのかなと思います。
 ルーツ語を習得するのは、簡単ではありません。ほとんどの子どもたちは日本生まれの日本育ちで、勉強時間も1週間に1回(45分間)と限られています。しかしながら、子どもたちは確実に自分の世界を広げる力を持っています。このルーツ語教室が、子どもたちにとって「いつでも戻ってこられる安心できる場所」になり、この教室で学んだ子どもたちが将来、この教室や他の場所でベトナム語講師として活躍するだけでなく、いろいろな場所で活躍することもそう遠くない日なのかなと楽しみにしています。

 

■今日もにぎやかです

 

 12月22日は、ベトナム語教室2学期の最後の授業。とはいっても最後の日は勉強しないで楽しい?クリスマス会をしています。
 この日参加したのは、23人の子どもたち。最初はユン先生とチャム先生から2学期の勉強の様子を話してもらいました。クラスによってやんちゃなクラスだったり、おとなしいクラスだったりと異なりますが、ほとんどの子どもたちが休まずにきました。
 先生たちの話が終わると次はゲーム開始です。最初のゲームはうちわの上に落ち葉をのせて運ぶ「ひらひら落ち葉リレー」。4チームにわかれて勝敗を競います。このリレーでは落ち葉が地面に落ちても自分で拾ってはいけないので、チームの誰かに助けを求めて仲間にまたうちわの上にのせてもらわなければなりません。必然的にチームで協力したり声を掛け合う姿が見られました。(スタッフは折り返し地点でみていたのですが、みんな器用に運んでいてあまり落とす子どもはいませんでした)
 そして次のゲームは「言葉さがしゲーム」。12枚の絵カードから1枚ずつとって、ベトナム語の単語に言いかえて、さらにその単語の韻を踏んで先生に確認してもらい、カードが全部)なくなったチームが勝ちというゲーム。低学年の子どもたちはベトナム語に言いかえるのはすぐにできるのですが、韻を踏むやり方を完全に覚えていないので、その時は、高学年や中高生のおにいちゃん、おねえちゃんに助けてもらいます。一番年長のおねえさんが、常にアドバイスをするチーム、同じクラスで韻を踏むのが得意な子がすぐに助けに行くチーム、隣のチームから韻の踏み方をきいてアシストするチームなどいろいろな場面がありました。
 最初は「ゲームなんかしない」、「ベトナム語わからん」と言っていた子どもたちもゲームとなると盛り上がり、グループのなかまと大きな声で掛け声をかけたり助けたりしていました。
 そして最後は毎年恒例のクリスマスブーツのプレゼントなのですが、1学期の終了式と同様、クリスマスとお正月に何をしたいかを一言ベトナム語で発表してからプレゼントをもらいました。
 今年のベトナム語教室には6才から高校2年生までの子どもたちが来ています。このクリスマス会(でも中学生高校生の子どもたちが積極的に会の運営を手伝ってくれました。あと数年後にはこの子どもたちが高校生、大学生になります。その時は次の世代のリーダーとして小さなおとうとやいもうとたちにルーツ語を伝えていく役割を果たしてくれるだろうと期待しながらゆるやかなクリスマス会を終えました。 

 

■1学期の終業式を行いました!

 

 7月21日に、ベトナム語教室1学期終業式を行いました。

 数名の子どもたちはベトナムへ帰っていたのですが、それ以外の26人の子どもたちが出席しました。チャム先生とユン先生からクラスの様子を報告してもらいました。

 今年も6クラス編成で授業を行っていますが、はじめてベトナム語を勉強する子どもたちは、学年にあわせて2クラスに分かれています。
 主に1年生と2年生の9人の子どもたちで構成されるクラスは、文字を書くことからゆっくりゆっくりはじめています。毎回ユン先生から習った文字の練習の宿題が出る3年生と5年生のきょうだい4人で構成されるクラスは、チャム先生の授業を熱心に聞いて韻を踏んだり、書く練習をしています。
 先生たちの報告が終わると、子どもたちに一言ずつ「夏休みに何をしたいか」をベトナム語で話してもらいました。「海へ行きたい」、「プールで泳ぎたい」、「宿題をがんばりたい」、「ベトナムでいろいろ遊びたい」など、いろんな「やりたいこと」が飛び出しました。みんなの前で話すのは、ちょっとてれくさかったのか小声気味でした。でも一言を話さないとプレゼントがないので、みんな一生懸命話していました(笑)。
 これまでは中学生になると部活や塾などで忙しくなって教室を辞めていく子どもたちも多かったのですが、今年は5人の中学・高校生が引き続き教室に通っています。長年教室に通っている子どもたちも、自分のクラス以外にどんな仲間がいるのか、実はあまり知りません。だからこの終業式で仲間が一同に集まったら、中学生や高校生のおにいちゃん・おねえちゃんが「こんなにちっちゃい子たちが来てるんやぁ。うちがはじめてトッカビに来た年齢ぐらいやぁ」とびっくりしていました。
 今は終業式や修了式ぐらいしかみんなで集まる機会がないのですが、時間を別に設けて教室のみんなでいろんな話をしたり、ゲームしたりする機会を創ってみたいと感じました。9月からまた2学期がスタートしています。

 

■今年のベトナム語教室はにぎやかだよ!!

 

  この4月から8年目を迎えたベトナム語教室。

 4月は、新しい仲間がどれだけ増えるかと心配していたのですが、その予想を裏切り、たくさんの子どもたちが通ってきてくれています。

 保育年の年長の子ども(6歳)から最年長は高校1年生のお姉さんまで31人の仲間で勉強をしています。地域も八尾市だけでなく、奈良県、東大阪市、柏原市、大阪市の広範囲から通ってきてくれています。

 また4月からは、ゴック先生にかわってチャム先生という新しい先生も加わりました。もちろんベテランのユン先生もかわらずに授業を担当してくれています。

 現在はレベルや年齢を考えて、6クラスの授業を行っています。入門クラスや初級クラスの子どもたちは、初めて書くベトナム語の文字や韻を踏むやり方に最初は戸惑いながらも楽しそうに取り組んでいます。

 教室に通って3年以上の子どもたちも、初めて一緒に勉強する仲間もいて、照れくささを感じながら元気に通っています。

 低学年の子どもたちは、家族の人たちと一緒に教室に来るので、教室が開催されている安中人権コミュニティセンターは、保育園のお迎えのようでよっても活気があります。妹や弟も一緒に来ているので、絶え間なく子どもたちの笑い声が聞こえています。

 今年は、たくさんの子どもたちが参加しているので、何か子どもたちも大人も一緒になってできるイベントができないかと思案中です。

 

■紙芝居プロジェクト」いよいよクライマックス?!

 

紙芝居プロジェクトがいよいよクライマックスを迎えています。

何気ない一言から始まった「紙芝居プロジェクト」。7月の終わりから毎月1回の頻度で集まり、どんなお話にするか、どんな場面のイラストを描くのか、ベトナム語や日本語をリライトしてわかりやすくするにはどうしたらいいのかなどを中学生のティちゃんとホアちゃんが中心になり、小学生のハンちゃんとハーちゃんも一緒になって活動を進めてきました。

先月(11月)24日に、紙芝居10枚が完成。約半年かけて創り上げた大作!!です。

完成した紙芝居は2月ぐらいにお話会でお披露目予定ですので、乞うご期待!!

 

詳細はお楽しみにするとして、少しだけMaking of 紙芝居をお見せします。

 

 

 

 

「どんなイラストにする~」

 

 

 

「塗って塗って塗って・・・」

 

 

 

イラストレーターの金美蓮さんからもたくさんたくさんアドバイスをいただきました!

 

 

 

「秘密だけど一枚だけお見せしましょう!」

■土曜日はベトナム語

 

今回は、紙芝居プロジェクトの話を書く予定だったのですが、

急遽変更して、ベトナム語教室で最年少のカオリーちゃんのお話にします。

 

カオリーちゃんは、現在保育園の年長さん。この4月から勉強をしています。

(ちなみに現在中学3年生になるお兄ちゃんも小学生までは、このベトナム語教室に通っていました。)

 

ベトナム語の勉強について質問すると

-勉強は面白い。特に書くのが面白い。との積極的な答えが。

 

また保育所について重ねて質問すると

-みんなと遊ぶのが面白い。普段はままごととかブロックで遊んでいるよ。

 外の遊具も面白い。けんちゃんが一番の仲良し!と笑顔で答えてくれました。

 

毎週土曜日の朝は早起きして、お父さん(お母さん)に早くベトナム語教室に連れて行って!と急かすそうです。いつまでもその気持ちのままベトナム語教室に参加してほしいなぁと願う今日この頃でした。

 

 

 

特別付録

 

前々回で紹介したけん君が、すてきな絵を描いてきて持って きてくれました。

けん君ありがとう!

■土曜日はベトナム語

 

今日も土曜日がやってきました。

お姉ちゃんたちの勉強が終わるのを待っている間、ハンちゃんとハーちゃんと世間話をした一部をご紹介します。

 

スタッフ 日曜日って何してるん?

 

ハーちゃん 日曜日はぐうたらディやねん。

      関ジャニ∞の番組みて、ご飯食べて、ぐうたらして、昼ごはん食べて、昼寝

      して、いとこと遊んでるかなぁ。

 

ハンちゃん ワンピース見て、ごろごろしたり、勉強したり、偶にお姉ちゃんと喧嘩した

      りする。あ、ヨシモト大好き。

 

スタッフ そうなんやぁ。じゃあ学校ではどんなん?好きな科目とかはある?

 

ハーちゃん 給食はおいしいよ。

      好きな科目は「図書」。

      『バムとケロ』、『ねずみくんシリーズ』、『黒魔女さんシリーズ』がお薦め。

 (スタッフは、図書という科目があるのが驚き!!でした)

      嫌いな科目は、『算数』

 

ハンちゃん 友達に会うのは楽しいよ。給食もおいしいし。科目では「体育」、特にバス         ケが好きだし楽しい。

      嫌いな科目は特にないなぁ。お薦めの本は『怪盗ルパン』

 

家族のみんなを一言でいうと?

 

ハーちゃん パパ やさしい。(娘を溺愛するあまり心配症になる)

      ママ おっちょこちょい

      お姉ちゃん 勉強を教えてくれるけど、世話を焼き過ぎることもある。

ハンちゃん パパ 見た目はほんわかしてるけど実は厳しい。

      ママ やさしい時もあれば怒る時もある。

      お姉ちゃん 優しい時もあればいぢわるな時もある。


 こんな世間話をしながら、またまた2人がかわいいイラストを描いてくれました。

 11月はイベントが多くて休みがちだったので、2人にとっては久々のベトナム語教室でした。他の子ども達と違って、彼女たちが通う学校にはルーツのある子ども達のための民族クラブなどがまだありません。「だるーい」、「しんどっ」といいながらも笑顔で勉強している2人にとっては、ここが自分のルーツを再確認する場所でもあるのかなと思っています。

 

 さて次回は、その紙芝居プロジェクトの模様をお届けします。お楽しみに!

(2011.12.3)

 

■土曜日はベトナム語 プチインタビュー3

 

今日は朝から、ひどい雨が降り続きました。

そんな雨の中、今日も元気にやってきた健くん(小学4年生)と慎くん(小学3年生)のきょうだいにまたまたプチインタビューしました。

 

2人は学校で、どんな科目が好き?

 

健くん 「図工が好き。小1と小3の時に賞状をもらったよ。」

  (本当に絵を書くのが得意で、あっという間に素敵なイラストを描いてくれました)

    アニメのトリコとドラゴンボールが大好きとのこと。

 

慎くん 「二重跳びが好き。ジャンプ台で10回以上できるよ。」

 

‐ベトナム語の勉強はおもしろい?

 

「ちょっと好き。」(照れが入っているようです)

 

‐家で食べるベトナム料理は何が好き?

 

健くん 「フォー」

慎くん 「揚げ春巻き」

 

今年の7月から教室にくるようになった2人ですが、今はすっかり教室にもなじんでやんちゃっぷりを発揮してくれます。でもさすが健くんはおにいちゃんだけあって、慎くんのことを気遣ったり注意したりと優しい面もあります。

今日もお父さんがお迎えに来てくれるまで、3人でなぞなぞをして遊んでいましたが、スタッフはほとんど正解できず、2人に笑われっぱなしでした (~_~;)。

(2011.11.19)

 

■土曜日はベトナム語 プチインタビュー2

 

また土曜日がやってきました。

今日も子どもにプチインタビューです。

 

今日は1年生からベトナム語教室に通っているミィちゃんにインタビューです。

 

Q:何年生ですか?

A:6年生です。

 

Q:ベトナム語の勉強はおもしろい?

A:文章を作ることが面白い。

  (ちなみに今日作った文章は、、「ミィは友達と遊ぶ」、「ビービー弾を投げて遊ぶ」)

 あとは、ここに来たら友達に会えるのがいい。

 

Q:将来の夢は何ですか?

A:将来はフライトアテンダントになって、世界中をまわること。

 

 ベトナム語を学習する時に最も大切になるのが、韻を踏みながら言葉を覚えていくこと。日本語で言葉を覚える方法とは少し違います。ミィちゃんは、その韻を踏む方法がとても上手です。いつも弟たちの面倒もみているしっかりもののミィちゃん、インタビューに応えてくれてありがとう!

(2011.10.29)

 

 

■ベトナム語教室プチインタビュー その1

 

トッカビでは、毎週土曜日の午前中、ベトナム語教室を開講しています。

勉強しているのは、ベトナムにルーツのある22人の子ども達。

今日は3人の子どもたちにプチインタビューしました。

 

4月にかよい始めた、1年生のヒィくん、そしてすっかり先輩の4年生ハーちゃんと6年生のハンちゃん

 

スタッフ:勉強は楽しい?

     

ヒィくん:うん、楽しい。

     (ベトナム語のアルファベット書いたノートを見せてくれました)写真

 

スタッフ:ハーちゃんとハンちゃんはどう?

 

ハーちゃんとハンちゃん:面白いときもあるけど、だるい時もある。

 

スタッフ: 最近2人がハマっていることはある?

 

ハンちゃん:読書。お薦めは「翼はいつまでも」(川上建一)だよ。

 

ハーちゃん:マンガの「あさりちゃん」(あさりちゃんのイラストを書いてくれる)

 あさりちゃんの写真+2人の写真

 

 今は2人の先生たちと、6つのクラスに分かれて勉強しています。

 みたいマンガをがまんしてやってくる子、勉強が楽しくてしかたがない子、ハーちゃんやハンちゃんのように感じる子ども…。みんないろいろな気持ちを抱えてベトナム語教室にやってきます。高学年、中学生になると部活や塾で忙しくなって、教室に遠のいていきますが、この場所が子どもたちにとって「ほっこり」できる場所になったらいいなあといつも思っています。

      (2011.10.22)

 

■ベトナム語教室クリスマス会


 世間のクリスマスよりいち早く、12月20日、ベトナム語教室のクリスマス会が開催されました。当日は30数名の子どもたちが集まりました。また、子ども達に振る舞われたごちそうはお母さん方が準備してくれました。

スタッフがあわただしく料理を並べていると、元気いっぱいの子どもたちが次々に登場!先生のご挨拶も短めに、さっそく子どもたちはできたての料理を頬張ります。

 その後はテンポのよいクリスマスの曲にのりながら2チームにわかれてゲーム大会。

自分の番ではない子どもたちが、後ろから一生懸命声をだし精いっぱい応援する姿や笑いをこらえながらもゲーム熱中する姿は、大変微笑ましものでした。

 勝負がついてプレゼントを受け取るとすばやく席にもどってまた腹ごしらえ。ラストはトッカビ・サンタクロース(?)からお菓子のプレゼントで幕を閉じました。

 子どもたちの顔は、とても輝いていました。

 2009年もベトナム語教室がますます子どもたちや保護者のニーズに応えられるよう意義ある活動ができればと思っています。

(2008.12.20)

■ベトナム語教室修了式


 2008年3月22日、ベトナム語教室では、修了式が行われました。最初に先週行ったテストの結果を返してもらいました。レベルが上がるにつれてテストの内容も難しくなりますが、がんばって100点をとった子ども達もいました。それからユン先生とトラン先生から、各クラスの状況を話してもらいお母さん達にも聞いてもらいました。そして今日のメインイベント、修了証書とプレゼントをわたします。普段はおしゃべりな子ども達も、少し緊張しながら受け取っていました。1週間に1度の限られた時間ではありますが、確実に子ども達の力になっていると思っています。最後はみんなでお菓子を食べながらたくさんおしゃべりをしました。来年もみんなで楽しくルーツ語教室を行いたいと思います。

(2008.3.22)

■大阪くらしの今昔館見学


 2学期に入って間もない、土曜日の9月13日に、大阪くらしの今昔館に行ってきました! 今回は、日本の伝統的な住まいと暮らしの文化をベトナムの子どもたちに体験してもらう「体験型学習」です。
 というのも今回の企画は、ベトナム語教室低学年担当の先生が、大阪教育大学生であることから、同大学と大阪市立大学の住居学関係の研究室と住まいのミュージアムが連携した特別事業として行われた体験学習イベントでした。
 今回、浴衣試着で子どもたちの浴衣を準備する都合上、早くから参加の確認をしなければならならず、(かといってあまり早くから申し込みを呼びかけても忘れられてしまうおそれもありでした)果たして何人参加してくれるのかと不安でしたが、当日は20名の定員を越える28名の子どもたちに3名の保護者が参加してくれました。
 八尾からの長い道のりを経て無事到着後、館のスタッフの方からのお話などで約30分の座学。しかし、15分過ぎたころから集中力がくずれはじめた子どもたちに一瞬焦りましたが、ろうそく、油、電気と3つの行燈に灯をともしてその明るさを比較されるのを目の当たりにすると、子どもたちはまた集中力をとりもどしてくれました。
 その後、日本の伝統的な町並みや住まいにタイムスリップ。子どもたちは、今にも走り出しそうな、実物そっくりに作られた猫や、物干し竿にとまっているトンボやスズメを見つけながら、どんどん前へ進んで行きました。こままわしなどの昔の遊びを体験したと、いよいよ今回のメインイベントである浴衣に着替えてお茶会と障子の張り替えを体験。どの子どもたちも五感を働かせて積極的に取り組んでいました。はじめて抹茶を味わった子どもたちに感想を聞いたら「苦かった~」と一言。保護者の方も子どもたちに負けじと一生けんめい日本文化に触れていました。そしてスタッフも。
 今回の学習は体験が盛りだくさんということもあり、疲れもいつもより増したようですが、後日参加して下さった保護者の方からは「楽しかった~」と言ってもらえました。「昔の遊びの時にお兄ちゃんお姉ちゃんが一緒に遊んでくれて楽しかった」「また行きたい~」と言っていた子どももいて、それぞれに良い思い出づくりができたように感じました。

(2008.9.13)

■ベトナム語教室について

 

トッカビでは、異文化ルーツの子どもたちが、自分のルーツの言語を学ぶ教室を開催しています。ベトナム語については、保護者からの要望があり2004年6月から始めています。

 

 トッカビ勉強会に参加していた子どもたちを中心に、その保護者によびかけ、10名の子どもたちが集まりました。親戚関係によってお隣の柏原市からも1名参加しています。

 参加している子どもたちは、ベトナム語を聞く能力は持っています。(年齢によって、聞き取られる語彙の差はありますが。)ただ、しゃべること、読むことについては、差があり最初はみんな一緒に進めていましたが、現在は時間をずらして2クラス制で進めています。           

 しかし、自主的に参加した子もいれば、親に言われて来ている子どももおり、やや学習意欲に違いがあらわれます。そこで、教室を出てベトナム語を学ぼうと、8月21日、奈良公園に行きました。夏休みだから集まりやすいと思い企画したのですが、8月に入りベトナムへ行ってしまう子どもたちもいたりして、結局4名の参加になりました。

 まず子どもたちは、21日の前週に奈良公園にある、鹿や鳥、池や木等、あらゆるものをベトナム語で覚えました。そして、当日は日本語でかかれた単語カードをもちながら、そのものを見つけたらベトナム語を記入します。まだベトナム語の文字を書くことが難しいと感じる低学年については、先生の耳元で答えを告げます。子どもたちは早く答えようと、思ったいじょうに一生懸命になっていました。その後、近鉄奈良駅近くにあるベトナム料理店で昼食をとりました。ある子どもが、「今からベトナム語だけでしゃべること。」と提案すると、とてもよくしゃべり合い、普段家庭の中でしゃべっていることが良く分かりました。でも、1時間ぐらいたつと、提案した子どもが、「ベトナム語ばっかりでしゃべるのしんどい!」といった言葉が印象的でした。

 参加者が少なかったのは残念なのですが、教室を始めてから講師との関係にややぎくしゃくする感じがしていた子どもたち、この活動でその関係もグッと縮まり、この日を境に心なしか授業態度に落ち着きが見られるようになってきた気がします。9月に入りあらたに6人の申込みがあり、一挙に子どもたちが増えました。日本語の会話が当たり前になってきている子どもたちにとって、「なんでベトナム語せなあかんの?」といいながら参加する子どももいますが、こういった子が楽しめる教室をめざしたいと思います。

(2004年)